強みを活かして、更に高みを目指して
――森澤製作所の強みと言えば、その広大な面積を誇る5つのセクションからなる専門工場。
その中では、主に5つの専門的な制作を行うことができる。
木製建具・木製家具・関襖屛風芯材・各種スクリーン・可動間仕切(スライディングドア/ペアパネル)。
今までに培ったその高い技術を最大限に活かし、未来の技術へとブラッシュアップしていくための秘策とは?
上原さん「確かに、森澤製作所の強みはすでにある技術とその工場のスケールです。でも僕が一番評価しているのは、やはりその専門の機械を操れる職人さんたちの存在なんですよね。いくら設備が整っていても、それを操れる技術のある職人さんたちがいないと何もできない。僕は常々、そう考えています」
土居さん「ここに来て1ヶ月。やはりまだすべてがスムーズに運んでいるとはとても言えません。特に無口な職人さんたちとどうコミュニケーションをとっていくかが当面の課題だと感じています」
コミュニケーションで深まる、職人たちとの絆
――多くは語らず、仕事内容でもって物事を饒舌に語る。
森澤製作所の職人たちには、そんな暗黙のルールのようなものが存在しているのを2人は感じるという。
上原さん「普段は無口な職人さんでも、1対1でじっくりと話すと、それぞれの別の一面を見せてもらうこともできました。面談した時のことなんですが、1人1人に現状の課題点や、実現したいことなどのヒアリングをしたんです。職人さんたちも、要望、改善点を包み隠さず話してくれたおかげで、課題は明確になりつつあります。改善してほしいという要望のあった工場の環境や、待遇面などは、どうしたらうまくいくか、今、まさに検討をし始めたところです。将来的に実現したい事など必ず1つ1つ達成していきたいと思っていますね」
土居さん「ここには広大な敷地があり、熟練の技術を持った職人さんたちがいます。それは、僕はすごい財産だと感じていて。その土台を武器に、今後は新しいシステムを取り入れていくことを目標にしています。上原と一緒に個々のヒアリングやコミュニケーションを進めていき、現場からの意見や希望を聞いていくことがまずは最初の1歩だと思っているんです。そうすることで、だんだんと生産力が向上していくと思うし、そういう地道な方法でしか工場にはコミットできないと思うんです。僕たちが打ち出す新しい取り組みが、社員の方も楽しみながら作業ができる環境づくりにつながって行けたら、ってそう思います」
目標はなるべく言葉にする、それがいつか現実となる
――更にはスマートDX(デジタルトランスフォーメーション)化や新しい施策を取り組んでいく、と2人は目を輝かせながら話してくれた。
土居さん「ものづくりもどんどんAI化していく中でクリエイティブなものも製作していきたいと考えています。森澤製作所という名前が1つのブランドとして成立するような。ものづくりといえば新潟だよね、と将来的に言われるような飛躍をしていきたいという想いがあります」
上原さん「僕としては、ますます仕事が楽しめる環境になったことと、組織としてまた1から様々なことにチャレンジしていける喜びを感じています。職人さんたちも僕たちも同じ方向を向いて、組織として断固たるビジョンを作りならも、各々が達成感を感じながら働いていくために、これからたくさんの課題をクリアしていけたらって思っています。数社あるグループ会社と連携をとって、シナジーを出していけるような仕掛けをしていきたいです。数年後の森澤製作所を楽しみにしていてほしいです」