野外音楽フェスの経験を活かし、新鮮なキャンプ場に!
――キャンプ場をリニューアルするにあたって、並行して行なっている事業の野外フェスを主催する上での経験や知識はどれくらい役に立ったかを伺うと。
「リニューアル工事をする際に一番役に立ったと思いますね。人を野外に集めるという目的は音楽フェスと同じなので、お客さんの動きやすい動線の作り方などは既に経験していることだったので、その知識はキャンプ場作りでも役に立ちました。車で規定の場所まで乗り入れてくるための道や、お客さんを特定の場所に誘導したい時の誘導の仕方などは共通だと感じましたね。また、レギュレーションやマニュアルを1から作り直すところはすごくフェスに似ているとも思いました」
設備は高規格、接客はさらに丁寧に
――BREEZならではのレギュレーションや、他のキャンプ場にはないような取り組みについてお伺いすると。
「一番はお客さまファーストであることですね。その為に、設備も充実しています。シャワーや電源があるキャンプ場は一般的に高規格の場所だと言われていますが、うちにはシャワー室にタオルまで用意されているというような。あとはテントを今まで設置したことがないけど、やってみたいという方の為のワークショップも無料で提供しています。事前に申し込みをしていただければ、スタッフがついてワークショップを開いています。そこはBREEZEならではの取り組みだと自負しています。あとはスタッフが心がけているのは、聞かれたことを答えるようなコミュニケーションの取り方ではなく、自分から『これは大丈夫ですか?』や『困っていることはないですか?』『どうしましたか?』とこちら側から声をかけていく姿勢。そういう小さな事を1つ1つ大切に接客と運営を行なっています」
――そんな取り組みの結果、現在までに接客の丁寧さや、今まで行ったキャンプ場の中で一番楽しめたという声をいただくようになったという。
では、今後の課題について伺うと。
これからの課題と、オフシーズンの活用法
「現在の不安点は、繁忙期に今の人数で乗り切っていけるのかという部分と、平日の稼働をいかに上げていくかということがポイントだと思っています。というのも、今年のGW時の予約は満員だったのですが、そこで売り上げの最大値はある程度予想できると思っています。キャンプ場の繁忙期はG Wと夏休みがある8月ですが、それ以外の平日の稼働をいかに上げていけるかというのが課題だと思っています」
――通常、寒い時期など一般的にキャンプに適さない季節やお子さんが学校に通う平日などは予約を埋めていくことは難しいとされている。
そのあたりの対策はどうしていくかを尋ねると。
「うちはそんな大きな規模で運営している訳ではないので(最大でも38区画規模感)今後の閑散期などは各企業様の研修などに使っていただけないか、団体での利用を誘致していきたいと考えています。なので今は旅行会社を連携することや、キャンプ予約サイト大手の『なっぷ』と提携してインターネットでマッチングできるようなシステムを構築中です」
「リゾート関連の学校に繋がりのある社員もいるので、学校関連の団体客を平日に誘致していくなど、色々計画しています。野外イベントを主催しているので、そういう団体が場所を手に入れたという事もとても大きな変化だと思います。今後は、キャンプ以外の活用方法、例えばこの美しい場所を使って地域のイベントをしたり、展示会などを主催して地域の方々を巻き込んでビジネスをしていくというような構想もあります」
――最後に、CAMPGROUND BREEZE TATEYAMAの魅力を教えてくださいというと、樋口さんから、こんな言葉が。
「形のない宝物」を子供たちへ提供したい
「キャンプ経験がないけど興味がある人に選んでいただきたいという思いがあります。ハードルが高いと思っている方や、今のキャンプブームで気になっている方、キッカケや道具がない方でも安心してキャンプを始められる場所だと思うんです。1回来ていただけたら、キャンプが好きになっていただけるような接客には自信を持っています」
「キャンプの良いところは、自然と触れ合えることと、お父さんやお母さんの普段見られない姿をお子さんに見せられることだと思います。『お父さんは、家の中だと家事をしないけど、キャンプだと家事をするんだ!』と、お子さんが思ったり、逆に毎年来ていただければキャンプの設営や重いものを持つことなど、できることが毎年増えていくお子さんの姿を見られたり。他にも、お子さんがたくさんいるキャンプ場なので、勝手に友達を作ったり、野外で寝るという経験だったり、たくさんのかけがえのない経験をお子さんにプレゼントできるんです。子供にもたらす良いことはいっぱいあると思います。バーベキューをして『刃物は危ない』ということを学んだり、『海や川は怖い』とか、理屈ではないことを体験を通じて共有していける。いつもとは違う場所の野外で食べるご飯の美味しさだったり、テレビやスマホを一旦お休みして家族で海を眺める時間だったり。大きくなってからや、お金では買えないことを、自然に学べるんです。学校じゃ教えてくれないことを自分の目や身体や感覚を通じて知れる機会を作れるのがキャンプの良さなんですよね」
――「初めての場所からいつもの場所へ」をコンセプトに、CAMPGROUND BREEZE TATEYAMAの沈む夕日のように美しい思い出を、大切な家族へ。家族との定番の場所へ。
いつもの思い出が作れるあの場所に行きたいと言われるような、気軽に行けるけど特別な場所を目指して。