ゼロから何もかも手探りでのスタート
「そもそも会社自体が、社員のやりたいことを応援してくれる雰囲気なんです。
もちろんビジネスとして成立しないような夢物語ではなく、きちんとした計画とビジョンに基づいて相談すればですが。
『やりたい人』が『やりたい事』を実行していく方が成功する確率は上がる、と僕自身の経験からも、社内の風土からも、そう思っているんです。
物事を成し遂げていくには、根本にある気持ちの強さって大事ですから」
樋口さんは元々リペアに営業職として入社し、鶴見店での勤務を経て、店長として吉祥寺店の立ち上げを担い、その姿勢が認められ営業部の統括マネージャーとして活躍をしていた。
そんな矢先、社内で全く新しい部署を立ち上げてみたいという気持ちが生まれたのだという。
新しいことにチェレンジできる環境
「不動産業、それも中古市場というのは既に全体の数が決まっています。
その中で古いものに新たな価値をつける修復作業をして、新しい付加価値をつけていくことはとても大切なことなのですが、会社として、それだけを続けていくのでは将来的に限界が来るのではないかと思うようになって。
そこで全く違う分野の新しい取り組みをスタートさせてみようという気持ちになったんです」
「僕は元々音楽が好きで、野外のフェスに行くことを楽しみにしているタイプの人種でして。
これまで数多くのイベントに足を運んできましたし、好きなことにチャレンジできる環境と機会があるなら、そこに飛び込んでみようと思ったんです。
経験や知識は本当にゼロで、今思えば無謀なスタートだったんですけど(笑)」
そこで樋口さんはエリア統括マネージャーとしての業務をこなしながら、音楽イベントの準備に関わる様々な事を手探りで探しながら、持ち前のコミュニケーション能力と行動力を武器に知識を吸収していったのだという。
何もないところから形ができていく
「初めはもちろん何が分からないかも分からないような状態でした(笑)。
会場の押さえ方も、アーティストのブッキングの仕方も、どんな職種のどんな業務の人が必要なのかも分からないんですから。
出演してほしいアーティストの方の事務所を調べ、手紙を渡して交渉したり、既に他の音楽フェスをしている主催者の人に話を聞きに伺ったり。
とにかく、分からないなら分からないなりに手探りですけど探していた感じです。
1つ1つ積み重ねていきながら、徐々に形になっていくのが嬉しくて。
毎日が驚きの発見の連続でした」
最初の2年ほどは部署を兼任していたが、その当時樋口さんが1人でイベント事業を仕切っていたことから業務量が増えすぎ、イベント専任として就任することになったのだとか。
社内の人たちの助けがあったからこそ
「最初の『THE CAMP BOOK』が2017年の6月。
本格的に専任として動き出したのがその前年の11月頃でした。
そして同年1月には事前の準備に追われる日々でしたね。
当時は宣伝用のプレスリリースの書き方なども分からず、何度も指導してもらったりしながらなんとかしようと必死で。
幸いリペアの社内には助けてくれる人がたくさんいたんです。
前職でレコード店を働いていたスタッフが、アーティストのブッキングを担当してくれたり、社内の皆からいろいろなアイディアや助けを受けながらなんとか開催までこぎつけた感じです」
「最初に『THE CAMP BOOK』をスタートさせようと思った時から、子供と一緒に安心して過ごせる空間で音楽を聴ければという事を軸に考えているんです。
僕は結婚していて子供がいるのですが、家族や子供たちが安心して過ごせる空間で、大人も自然に囲まれた環境でリラックスして良い音楽を聞けるイベント、『家族』と『自然』と『良い音楽』。
この3つが揃った状態の音楽フェスって最高の空間だと思いませんか?」
>>後半では、コロナ禍を乗り越えて2年越しに開催された2022年度の『THE CAMP BOOK』について、そして今後の展望などを引き続き樋口さんにお伺いしていく。